慶大・権丈教授 日医と日歯で巨大な健保組合を

平成22年 6月15日(火) リスファクス 第5618号


慶大・権丈教授 日医と日歯で巨大な健保組合を


 菅直人首相や谷垣禎一自民党総裁に「成長のための負担増」を助言している慶應義塾大学権丈善一教授は12日、首都圏歯科医師連盟フォーラムで講演し、持論の積極的社会保障政策を説いた。

 税以外の財源である保険料財源から、より多くの医療費を調達する秘策として権丈氏は、日本医師会日本歯科医師会主導による全国一本の「医師・歯科医師健保」を設立し健保連に加入してはどうか、というアイディアを披露。「医師会と歯科医師会が共同すれば、パナソニックとか新日鉄よりは大きい保険者ができる。健保連に入り、内部から『支払側』として保険料引き上げのキャンペーンを展開すればよい」と述べ、「トロイの木馬作戦」と命名してみせた。日医にも既に働きかけ、「だいぶまとまってきている」としたうえで、「これはぜひ、日歯のほうも協力していただきたい」と呼び掛けた。

 これに対して、歯科医師連盟側からは「すごい提案だ」と称賛が相次ぐ一方、日医への働き掛けが先に進行しているという点について「こういう構想を権丈先生から伺う前に、日歯から聞かれなかったのが残念だ」(大曽根東京都歯科医師連盟会長)との声も上がった。