地域医療貢献加算のからくり

以下医療系MLから転載。


地域医療貢献加算
森氏:
当初、あれは準夜帯だけの話だったのが、突然24時間対応というのが出てき
た。

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これについては、安達委員から「約束違反」ということで、24時間対応につい
ては、コアが準夜帯ということにして、24時間のしばりを外す方向でQ&Aを作
っていると聞いているので、現状はしっかり改善されていると思っている。

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参考文献

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公開討論会
 さらに今改定で新設された再診料の「地域医療貢献加算」については、理由
は異なるものの、三候補とも問題視。京都府医師会からは副会長の安達秀樹氏
中医協委員になっているが、森氏は、「加算は、当初は準夜の対応を想定し
ていた、急きょ24時間となった。現在、これを見直すためのQ&Aを検討してい
る」と明かした。

【今回の診療報酬改定に対する評価と次回の引き上げに向けての対策について

原中勝征・茨城県医師会長:
 その一つの例として、中医協に出される前の資料の資料をいただいた。その
中には、病院・診療所の再診料点数を統一するという項目が入っており、皆さ
んご存知のように、65点あるいは66点という数字が出ていた。私がどうしてこ
ういう点数かと聞いたら、診療所71点、病院60点だから真ん中だと。しかし、
診療所の方は1点下がれば100億円、病院は2000億円。結局私は69点で設定させ
ていただいた。そんなことで、私は実は陰で回されていたお金があると気付き、
地域医療貢献加算をやったが、これは再診料と同じ考え方で1回ごとに全部付
けるということをさせていただいた。

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コーディネーター:地域医療貢献加算は24時間対応となっているが、地域貢献
ということから言うと、学校医、救急当番輪番、予防接種などは、大変に地域
医療への貢献にはなっている。24時間に関しては、地域で交代で対応するもの
をチームでやる体制が、一つの形とすれば疲弊を招かない良い形かと思うが、
いかがか。

原中氏:地域医療貢献加算は、中医協で決定される3日前に出た。AERAや日本
経済新聞に出たが、私と足立先生(厚生労働大臣政務官)との間の大変強いや
り取りがあり、病院が上がる、どうして診療所だけが下がるんだ、今回の医療
費は必ず上げるという約束の下に始まっているはずだということで、診療所の
診療費をいかに上げるかということで考えてきたのが今回の地域医療貢献加算
だった。本来であれば、再診料として71円に戻すのが正しいが、病院・診療所
の再診料を同じにするという大前提があった。そのために、再診料を上げるの
と同じように1回ごとに付けるようにしたが、あの時の約束は名前はそうであ
っても、手上げ方式で「やります」という診療所はそのままいただけるという
話だったが、相変わらず急に厚労省の方からああいう強い要件が出てきた。こ
れは決して約束事ではないので、強く抗議をして、事実無根にさせていきたい
と思っている。

森氏:ネーミングが悪いと多くの人から言われている。あれを算定しなければ
地域貢献していないのか。そんな馬鹿なことはなかろう。そういう部分で言え
ば、やはりすべての診療所がしっかり対応することで、当然算定できるものに
すべき。当初、あれは準夜帯だけの話だったのが、突然24時間対応というのが
出てきた。

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これについては、安達委員から「約束違反」ということで、24時間対応につい
ては、コアが準夜帯ということにして、24時間のしばりを外す方向でQ&Aを作
っていると聞いているので、現状はしっかり改善されていると思っている。

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ただ、いずれにしてもそういう形で厚労省が言ってくるということ自体が当初
の話と違うということを、我々はしっかり確認して対応していかなければなら
ない。そうしなければ、いつまでも財務省寄りの診療報酬になる。それはしっ
かり押さえておきたい。

唐沢氏:理屈は何となく分かるが、国民医療の大事な一つは、皆保険制度を、
我々は保険指定医であり、保険指定医は保険指定医療機関で医療を行っている。
ところが保険指定医療機関は診療時間、標榜時間がある。しかし、保険指定医
には診療時間帯というものはない。そもそも保険指定医は、すべての時間をき
ちんと務めている。だからこそ今日まで地域医療がもってきたのであり、改め
てそこに斯様なものを設定するのは、本来のことを理解していない方がやるこ
とだと思う。私はこの名称を含め、斯様な位置付けのものを設定するよりは、
むしろ基本的な再診料や時間外の診療について、正式に算定すべきだと思う。
これではいかにも働いている医師、いない医師、相談に乗る医師、乗らない医
師がいるようで、だからもっと相談に乗れというようなことを言っているが、
保険指定医になった途端から24時間我々は働いているのであり、改めて斯様な
ことを言われる必要はない。別の方法で医療機関に点数を配分すること、ある
いは保険医に点数を配分する方法を考えるべき。点数は別に付け、名前は廃止
して新たに設定し、もう少し大幅な点数を配分すべき。

原中氏:実際は全く2人の言う通り。再診料を下げられてしまった、これを回
復するのに現実の問題としてどうするかを考えた。薬代等の減額をごまかされ
て、今まで皆が考えていたように、例えば1.6%の医療費減だと言っても、実
際は後ろの方で財務省に返されているお金がたくさんあった。その中の一部の
300億円を、どうしても医師のために使えということで出てきた。あれが中医
協の最終決定の前の日に出てきた訳で、名称は確かに悪いと言われれば悪いが、
あくまでも足立先生との約束は、実際の業務などを入れない、ただ本当に再診
料を上げる手段として、今この時には別名称でやらなければ通らないというこ
とのためにやった。本来からすればお二人の言う通り。

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